寂しいと感じるとき
「寂しいと感じるときはどんなときですか?」
小学生のとき、進学塾の国語の授業で先生が質問していたときのことを今でもたまに思い出す。
複数人に質問していて、
「友達と別れるとき」
「ペットが死んじゃったとき」
「ひとりのとき」
など色んな回答があって、
それぞれに対して、
「そうだね」
と先生は返事をしていた。
あるひとりの子が、
「読んでいる本が読み終わりそうなとき」
と答えた。
先生も周りも、
「うーん?」
と、なったのがとても印象的だった。
たしか、
その質問が出てきた時に扱っていた話が、
人と人との関わりの中で生まれた"寂しい"という感情だったからかもしれない。
空気を読む臆病者のわたしは、
だから、「分かる!」と賛同しなかったのだと思う。
その時、求められてる答えではなかったから。
だけどわたしはその子の答えがとてもしっくりきたし、そんな自分だけの心の宝物みたいな瞬間をみんなの前で話したその子がとても勇敢に思えた。
わたしは今日も本を読み終えてしまいました。
今でも、終わりが見えてきたときは、寂しいと感じます。